1920年代に流行した装飾様式「アール・デコ」を紹介する展覧会がこのほど、福知山市岡ノの市佐藤太清記念美術館で始まった。機械を思わせる洗練されたデザインのラジオや家具などが並び、工業化や大量生産が進んだ当時の社会背景を伝えている。

 同市に10月にキャンパスを開設する京都工芸繊維大(京都市左京区)との連携企画。同大学が所蔵するアール・デコ製品91点を紹介する。

 20年代に米国で放送が始まったラジオは、都市生活を象徴する電化製品として、流行のアール・デコ装飾が施された。会場には、木製の家具調ラジオや、詩人でラジオコレクターでもある谷川俊太郎さんが寄贈した真空管ラジオなど、当時の大小さまざまなラジオが並ぶ。

 ガラスと鉄を組み合わせたフランスのテーブルや日本の灰皿、食器類もあり、同美術館は「世界各国のアール・デコ製品がそろう。今見てもおしゃれなデザインを楽しんでほしい」としている。

 30日まで。午前9時〜午後5時。火曜休館。入館料が必要。


京都新聞 2018年03月07日 16時30分
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20180307000110