■カルロ=ピノの責任について

・遅効性の毒
【炎上というダメージを甘受するかわりに、相手をゆっくりと仕留めること】
アシンは破滅的なトレードを「遅効性の毒」となぞらえた。カルロ=ピノのお気持ち配信である。

・従うつもりはない
あの状況下での「親の心子知らず」は火に油を注ぐ結果となるのは予見できた。
しかしピノは個人の意見だとし、運営に発言を縛られても従うつもりはないとまで言って強行した。
この時点では「遅効性の毒」の結果責任はカルロ=ピノ一人が負うはずだったのだ。

・お気持ちリレーへの発展
ところがその3日後、所属メンバーによる所感表明ラッシュ(いわゆるお気持ちリレー)が発生した。
これにより破滅的トレードの結果責任は個人責任から連帯責任へと発展した形となったのである。

・本人残り、3人辞める
その後約1年による低迷期を経た後に、リレーに連名したメンバーのうち3名は引退することとなった。
その胸の内は本人たちにしか分からないが、
炎上させてしまった事への連帯責任をいくぶん感じての事だとしたら、大変痛ましい事である。

・贖罪という毒
一方事情の分からない視聴者はピノの配信後、運営やアイドル部をバッシングした。
そしてこの必然的な味方撃ちこそが、楠栞桜に対する長く激しい憎悪【毒】を生み出す要因となった。
アシンの比喩「遅効性の毒」はこの観点に着目したものであり、ピノを一枚上手とみる根拠である。

・背任とは
個人的な報復を優先し炎上リスクを会社や仲間に負わせて制止を振り切り配信を強行する。
これはグループを成長させるという任務に背いている点においては背任と捉えうる。

・善意の第三者
「相手の素性を私は知っている。ゆえに強硬手段は正当化される」という主張をもってしても、
巻き込まれた社員たちはピノの「正義」に強制的に従わされた哀れな善意の第三者である。
そして「正当性の物語」が確立され、彼らの救済は「責任のすり替え」以外の道を塞がれたのだ。

・公平な分析
アイドル部が崩壊した原因を公平に分析するならば、
「遅効性の毒」の責任をいわゆる「ec事件」とは切り離した観点から評価する必要がある。
それは辞めてしまった人達への誠意を示す事にも繋がるだろう。