楽器を破壊するパフォーマンスが人気であった60年代のロックシーンで、創造の美学を貫く者がいた。
パトラだ。
彼は会場にギターを持ち込まない。
持ち込むのは木材と工具。
その場で一本のギターを作り上げるのだ。
それ故ライブの大半は木を切る音である。
観客たちは恍惚とした表情でそれを聴くのだ。