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【バーチャルYoutuber】にじさんじアンチスレ2494【紫咲シオン応援スレ】
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
0001名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:26:43.23
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にじさんじに所属するライバーに関するアンチスレ兼渋谷ハジメを応援するスレです

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・スレを立てるときは先頭に「!extend:none:none:1000:512」を三行いれよう
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前スレ
【バーチャルYoutuber】にじさんじアンチスレ2493【永遠のJK静凛応援スレ】
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1538854981/
VIPQ2_EXTDAT: none:none:1000:512:----: EXT was configured
0016名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:31:43.05
あ。花火大会。」

外回りの帰り、通りがかった公園の掲示板を見た春田さんが、独り言のように呟いた。

隣を歩きながら、聞こえないふりをする。


「まきまきまきまき。」

おいでなすった。

袖口を掴まれて振り回される。

「なんですか。」

「今日だって!花火!」


通り過ぎたポスターを指差して、興奮気味に言う。子供か。

「そうですか。」

できる限り平坦に答える。

自分の敵はいつだって“期待”だ。

それを排除することで自分を守ってきた癖が、未だに抜けない。


「見たい!」

いや、キラキラした目で見られても。

「いや春田さん、上海から帰ってからずっと、仕事山積みでしょ。」


この春、2年の赴任期間を終えて、春田さんは日本に帰って来た。

本人の希望と黒澤部長の根回しもあって、また第ニ営業所勤務だ。

今は上海事業所のサポートと、営業所の仕事を兼務している。


そして、春田さんと入れ替わるように、俺は秋の人事異動で本社の開発事業部に戻ることが決まっていた。


同僚でいられる期間は半年だけだ。

今度は俺が、春田さんに顧客を引き継ぐ。

今日はその挨拶回りの初日だった。


終わりの、はじまり。


「だってこれ、たぶん今年最後の花火だろ!俺日本に帰って来てまだ花火見てないし、みてーじゃん。」
0019名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:31:46.46
>>8
失うものがないって・・・強いな
0025名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:31:55.11
天皇と剣持の配信中のリアクションの差な

天皇→チャットもスレも草や配信内容で埋まる

剣持→チャットもスレもかわいいで埋まる、配信内容についてのレスはない
0038名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:32:13.83
夏のピークが終わって、蝉はもう鳴かない。

少しずつ夜の空気に秋の匂いが混ざり始めた。

今年最後の花火。

確かにそうなんだろう。


「営業所の窓から見えるかもしれないですから、みんなで見たらどうですか。」

顔を見ずにそう言うと、

「俺は牧とふたりでみてーの!」

と、嬉しいことを言ってくれた。


密やかに喜んで、俺は自分がやはり、そう言ってくれることを期待していたことに気付く。


春田さんといると、俺は自分の決め事が悉く守れない。


期待しない。

執着しない。

熱くならない。


自分がマイノリティだと気付いた時から今まで、沢山の痛い思いをして学んで来たことだったのに。


「屋上…。」

「え?」

「屋上から、見ましょうか。」

このひと夏で浅黒く日焼けした顔を見つめる。
0047名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:32:32.92
「お先に失礼します。」

時刻は19:00。

春田さんより先に席を立つ。


買い出しのためだ。

ジャマが入る、と言えば聞こえが悪いが、まだ残業中のメンバーに屋上での花火鑑賞を知られたくない。

別々に営業所を出ようと決めていた。


「ふたりで見たい」のは、俺も同じだ。


春田さんは、PCにかじりつきながら顔も上げずに「おつかれー」と言った。

しれっとしちゃって。


一旦ビルを出て、近くのコンビニに向かう。


ビールにチューハイ、チーズにスナック。

春田さんの好物をポイポイとカゴに入れる。

スーパーなら絶対に買わないラインナップだが、今日は特別だ。

思っているより浮かれているのかもしれない。


少し考えて、春田さんが遅くなってもビールがぬるくならないよう、保冷剤代わりに氷を買った。


レジ横のショーケースから唐揚げとフライドポテトを買い求めて、コンビニを出る。
0053名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:32:48.53
ここから会社の屋上まで、誰かに見つからなければいいのだけど。


足早にビルへ取って返し、丁度1階に止まってくれていたエレベーターに乗り込む。


エレベーターにさえ乗ってしまえば、鉢合わせる可能性はかなり低い。

ほっと胸を撫で下ろした。


ノンストップで着いた最上階に人影はなく、カードキーをかざして、屋上に続くドアを開けると涼しい風が吹いた。


先客がいないのを確かめて、ベンチに腰を下ろす。


まだ外は夕方と夜の境目で、うっすらと明るい。

開始予定は確か19:30。

花火が上がるはずの南の空をぼんやりと眺める。



花火にはいい思い出がない。


高校生の頃、好きな人がいた。

図書委員をやっている先輩だった。


中学生の時よりも、恋愛というものが生活の中でよりウエイトを占めるようになって、何となく居場所に困っていた高校生活の中で、図書室は一番落ち着く場所だった。


本は好きな女の子をしつこく聞いたりしない。

それに、あの人もいる。
0096名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:34:22.30
ギル(´・ω・`)?
0099名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:34:24.65
もっけいは自分の名前入ったコメント欄画像どっかのアンチスレに晒してたからここ見てるぞ
0101名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:34:25.51
ザレンじゃねーか
0103名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:34:26.71
久しぶりに声聞いたわw
0108名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:34:31.63
ギルザレンきたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
0138名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:35:01.49
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0154名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:35:22.07
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0169名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:35:41.52
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0179名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:35:49.20
ザレンさん野良猫とコラボしてくれ!
0185名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:35:55.91
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0195名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:36:11.12
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0204名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:36:25.94
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0212名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:36:41.80
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0213名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:36:43.79
ザレンの声俺は好きだ
0218名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:36:55.94
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0223名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:37:11.11
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0227名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:37:26.29
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0233名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:37:32.52
ぽんぽこくんで草、間違えてんじゃねーか!
0265名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:03.69
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0274名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:14.81
ギルなんにも語ってないのに最後に一言言われてて草も生えない
豆にマジでこいつのこと嫌いなんじゃない?初めて悪意みえたけど
0286名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:38:21.19
ギルザレン 会話が出来ない
0288名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:27.13
ザレンの脱出ゲームみたいな企画好き
0295名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:36.41
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0307名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:52.53
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0308名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:38:56.65
お前ら剣持の時より勢い出してんじゃねえよ
まるで剣ちゃんが特別語ることないつまんない凸だったみたいじゃねえか
0311名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:39:03.57
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0313名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:39:07.43
むしろ天皇が最近剣ちゃんを甲斐甲斐しくサポートしてるのって
皇太子の地位が重荷だったと判断したからだろうな
つまりもはやライバルにはなりえないと
0316名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:39:19.03
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0321名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:39:32.40
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0327名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:39:46.96
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0342名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:40:02.25
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0352名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:40:21.33
なんだろう、今なら何でも笑う自信がある
0361名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:40:30.61
菌持を剣持って言うなよww
さっきの菌持の口内は剣持で酷かったけどさwe
0363名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:40:33.76
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0368名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:40:38.28
寝起きで声だけ出しておけば盛り上がってると思ってる剣持
定番ネタやっておけば何も話さなくても盛り上がってると思ってるザレン

にじさんじという看板におんぶに抱っこすぎひん?ちょっと引いたわ‪…‪…酔い冷めた
0404名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:41:49.96
ギルガイジムーブしまくりで冷え冷えだったんだけどコメ欄爆受けで焦ってこっちきたら酷評で安心した
0410名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:42:03.76
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0425名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:42:27.94
剣持と家長の差が1,000になったな
あと10日くらいで家長が抜きそう
0446名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:43:13.28
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0458名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:43:37.36
そろそろマスターきそう
0463名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:43:47.32
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0470名無しさん@お腹いっぱい。
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2018/10/07(日) 05:43:59.35
いつもカウンターの中で、小難しい本を片手にしている3年生。
名前も知らない。
細いフレームのメガネがスッキリと高い鼻にひっかかっている様は知的で大人っぽく、童顔の自分には眩しく映った。
せめて言葉を交わしてみたくて、彼の読む本の背表紙を盗み見てはニーチェやエックハルトなど、興味もない哲学書を借りたりした
何度も貸出、返却を繰り返すうち、「これを読むならこっちも興味あると思うよ。」と勧めてくれるようになり、半年通い詰めてやっと、「関 和也」という名前を聞き出した。
カウンターで2、3言葉を交わすだけの関係は、やがて少しずつ親しみを増した。
「牧は何でこんな小難しい本を読むの?」
ある日そう聞かれた時、
「…関先輩が、読んでるからです。」
と答えたのが、俺なりの最大の告白だった。
好きだなんて、とても言えない。
「可愛いなぁ、牧は。」
普段笑わない彼の、薄い笑みに、そういう意味ではないと分かっていても胸が高鳴った。
夕日の差し込む図書室で、夏の湿った風が白いカーテンを揺らす。
滲んだように、彼以外の景色が曖昧に見えた。

あの瞬間、俺の世界は図書室だけで完結していた。

狭く、閉塞的で、欠陥のない美しさ。

彼が俺の告白とも言えない告白を、どんな風に受け取ったのかは分からない。

けれど、それからしばらくして、「花火、見に行かないか。」と誘われた
地元で開かれる割と大きな花火大会で、そこに恋人と行くのが、俺たちの高校ではひとつのステータスだった。
その花火大会に、誘われたということは、そういうことだ。
男女であれば、の但し書き付で。
その真意を問いただす勇気もなく、俺はただ頷いた。
花火を見る彼の横顔は、さぞ綺麗だろうと思った
でも当日、彼は来なかった。
コール無しで流れる留守電のアナウンスが、彼の目が覚めてしまったのだと教えてくれる。
俺は打ち上がり始めた花火を見ながら、何故あの時頷いてしまったんだろう、と考えていた。

図書室から出ようなどと思わなければ良かった。
もあの中には完璧な世界があったのに。
彼を責める気にはならず、ただただ俺は自分が欲を出したからだ、と思った。


夏の夜空に咲く花火は美しかった。
そのどれもが、一つたりとも俺のためのものじゃないんだ、と分かっていても、泣きたいくらい綺麗だった。
関先輩とは、それ以来言葉を交わしていない。

怒って「なんで来なかったんですか。」と責めれば、先輩後輩のままでいられたのに。
そうしないことで、俺は先輩への好意を認めたも同然だった。

図書室に行くのもやめてしまった。

同じ学校とはいえ、部活も違う1年と3年に接点などなく、あっけなく俺の世界は消滅した。
高校を卒業し、大学に入り、社会人になった。
数少ない過去の恋人とも、花火を見たことはある。
だけど、同性との恋に慣れた年上の男達は皆、住んでいるマンションや遠く離れた場所から望むそれを楽しんだ。
ファミリーやカップルでひしき合う、喧騒からは距離を置いて。
あちら側と
こちら側
花火は俺にとって、それが浮き彫りになる事象だった。
0476名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:44:10.55
ところでギルザレンがろくに配信もせずコラボもせずこういう凸待ちにはホイホイ現れるムーブに腹立つんだが
0495名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:44:46.65
作り声って批判されるの見るけど可愛ければいいと思う
0505名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:45:17.92
こんなんでちょこっと出ただけで登録するやついるんだな
よほど印象に残らないとわざわざ検索して登録しないわ
0508名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:45:18.96
豆ぽこ同接ざこすぎんか
0520名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:45:41.99
>>462
何が面白いの?最近のおすすめ聞かれて
この間のエピソードで話したぁ
推しは大体CMにでてたぁ
で、お前の意見は?咳してレッドブル飲んで、それで?
0528名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:46:11.33
にじさんじは元々つまらないやつらの集まりだろ?にじさんじは元々つまらないやつらの集まりだろ?
0538名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:46:32.10
>>451
いわながの認識を適応するなら
天皇、お静、有栖の独立したファンを確立できてる奴は
会社としてはありがたいんじゃね
0541名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:46:37.13
ドル部が羨ましがってて草
そりゃアプランだけがハブられてるもんな
0547名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:46:48.97
>>491
いろいろ麻痺ってるけど百人単位の人間が登録クリックするだけでもそれなりにレアだよな
ハジメも馬鹿にされてるけど最低300人は見てるって改めて考えるとすごい
0556名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:47:08.10
おいおいアイドル部は配信するよの告知も出したしそろそろこっちが痛い目に合うんだからあまり挑発するなよな
実際ソロで安定して勝てる奴なんてほぼいないんだしな
0627名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:49:40.01
ごんごんって記念じゃなくても1万前後安定しそうな強さ身に着けつつあるよな
これに勝てるのって正直ソロなら天皇しか居ないアップランドの真のエースですわ
0628名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:49:44.89
ソロで強いからってなんだって話だけどな
コラボすりゃ簡単に抜けるし向こうは登録の伸びも鈍ってるしな
0632名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:49:54.29
>>567
記念配信同士の比較だろ?
それを言ったらごんごんとか一ヶ月ぶりのしかも初配信で
にじ裏誰もいないっていうくっっっそ好条件じゃん
0638名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:50:14.07
配信映えする声やな
0678名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:51:55.76
>>668
にじさんじゲーマーズはゲーム配信を云々
0682名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:52:00.87
>>645
また捏造してるな
1万4千はワイアニと5万記念で誕生日前は9000だぞ
0697名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:52:48.27
いろんな人がガクの名前出てたしウッキウキのガク見たい
0701名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:52:52.34
咲ちゃんを搾乳したい〜無防備にぺろんっておっぱい出したところにかぶりつきたい〜
0707名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:53:05.31
弟って本当は24時に出してほしかったんだな・・・
ドル部の3Dゲーム配信だけ見てれば良いものを・・・
0712名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:53:19.00
>>698
デレー期!?
0742名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:55:03.40
>>713
もう最強で良いよ・・・こっちは最高になるから
0763名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:55:32.64
>>714
咲夢やよ〜
0785名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:55:51.38
夕陽missingリリ!?
0855名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:57:20.48
やっぱアキくんの方がいい声してると思うなぁやっぱ
0860名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:57:31.73
シロちゃんの前回の配信でのスパチャ額見ればまぁ良い客捕まえてはいるよな
ドル部は解放してないからその辺未知数だけど今なら結構すごそう
0862名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:57:36.84
にじさんじガチャ

第一弾 1期生爆誕
月ノ美兎 UR
静凛 樋口楓 える SSR
その他 SR

第二弾 2期生誕生
剣持刀也 物部有栖 SSR
その他 SR

第三弾 ゲーマーズ強襲
赤羽葉子 叶 SR

第四弾 SEEDS登場
クレア 緑仙 ドーラ SR
その他 R

第五弾 ゲーマーズ新メンバー追加
モルル 笹木 ひまわり SR

第六弾 ゲーマーズ追加メンバー
葛葉 雪汝 りりむ 椎名 R

第七弾 種二期メンバー登場
全員 R

第八弾 種二期メンバー第二弾
りゅーたん カー SR
その他 R

第九弾 種二期メンバー第三弾
メガネロリ R
その他 モブ
0871名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:57:52.56
>>858
リリはタイ訛強いからな
0874名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:57:59.16
声いいな
0881名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:58:04.54
>>850
もうちょい低くしてダウナー喋りすればちーくんだな
0883名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:58:06.24
声はいいんだけどな
0906名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:58:25.84
心オナニーやんけ
0913名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:58:37.43
ギルは豆が塩すぎた
0932名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:59:10.36
リリなら、こ〜ころおいいいいいいいいいいいいいい!!
0942名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 05:59:34.71
>>917
ちまはもう寝てるだろ
0978名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 06:00:34.63
声かわいい
0993名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2018/10/07(日) 06:00:52.44
>>945
今見てるって言ってたのに
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