【ヤクルト・ソフトバンク】ヤクルト応援団総裁ら逮捕
 プロ野球の私設応援団員らから違法に寄付金を集めたとして、警視庁組織犯罪対策3課は21日、政治資金規正法違反の疑いで、東京都江戸川区の右翼団体「正心塾」塾長五十嵐博臣(35)と埼玉県飯能市の同幹部土橋登茂泰(34)の両容疑者を逮捕した。
五十嵐容疑者は東日本応援団懇親会の会長で、ヤクルトの応援団「全国報燕隊総本部」の総裁。土橋容疑者は同懇親会の幹事長でソフトバンクの応援団「関東鷹匠(たかじょう)会」の世話役を務めている。

 逮捕された五十嵐容疑者が会長を務めていた東日本応援団懇親会は、応援団同士のトラブルを防ぐために、阪神を除く11球団の私設応援団約30団体で結成した組織。土橋容疑者は同会の幹事長だった。
 調べでは、2人は03年7月から昨年11月までの間、11球団の応援団員ら29人から、正心塾機関紙の賛助購読料として計約178万円を受け取った。このうち実際の購読料を除く、約107万円を寄付として受け取った疑い。
警視庁組織犯罪対策3課は五十嵐容疑者らが暴力団との関係を利用して応援団らに影響力を強め、寄付金を集めていた可能性もあるとみている。
 政治資金規正法は、無届けの団体が政治活動で寄付を受けることを禁止している。29人は自営業や銀行員らで、口コミや2人に誘われ年間3万6000〜12万円を払っていたという。
 正心塾は00年7月に政治団体として設立されたが、法律で定められた政治資金収支報告書を1度も提出しなかったため、03年4月には、政治団体とは認められなくなった。
 関係者によると、東日本応援団懇親会は97年ごろに発足した。当初は阪神を除くセ・リーグ球団の私設応援団が集まり、その後、パ・リーグ球団の私設応援団も参加していたが、今月15日に解散を表明した。
 プロ野球は今季から、悪質な応援団を球場から締め出すため、集団で応援する団体は許可が必要となっている。今月9日と16日にはプロ野球暴力団等排除対策協議会の会合が開かれて200団体が審議されている。
問題がないと判断された団体に特別応援許可証が発行されることになったが、許可された団体数は公表されない。