>>島津製作所 プレスリリース
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 化合物の評価や探索において、炭素同士が強く結び付く箇所(炭素間二重結合)は
化合物の特性を決定する重要な因子です。
例えば、脂質は動脈硬化リスクの低減が期待されるオメガ3など多数存在しますが、
脂質の機能は炭素間二重結合の有無やその位置などによって異なります。
医薬・食品分野の研究開発では炭素間結合位置を含む構造解明が必要ですが、従来手法では困難でした。
[図]
「OAD」は原子状の酸素*をイオン化した試料と反応させることで、炭素間の二重結合を特異的に解きます(解離)。
解離によって生まれたイオン片から、炭素間二重結合位置の情報が得られます。
四重極飛行時間型質量分析計(Q-TOF型MS)は、原子・分子レベルに分けた試料の大きさや量を測定することで、
精密な化合物情報を得られます。両者を組み合わせることで、脂質や天然物などあらゆる化合物の構造解明につながります。

*酸素ラジカル。電気的に中性である特徴を持つ。試料分子に付着し二重結合位置を特異的に解離させる。