9/29(金) 19:31配信
sorae 宇宙へのポータルサイト

生命に適した環境を持ち、生命活動に関連した分子である「バイオマーカー」を持つ「太陽系外惑星」を見つけることは、惑星科学における聖杯探索に位置付けられています。

ケンブリッジ大学のNikku Madhusudhan氏などの研究チームは、「しし座」の方向約120光年先の太陽系外惑星「K2-18b」を「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」で観測し、K2-18bの大気成分を観測しました。

その結果、見つかった分子の組み合わせをもとに、K2-18bでは大気の下に豊富な液体の水が存在する可能性が示されました。また、予備的な結果ではあるものの、生命との関連が指摘されている「ジメチルスルフィド(硫化ジメチル)」が見つかった可能性もあり、極めて興味深い結果が得られています。
■ハイセアン惑星候補「K2-18b」

太陽以外の天体の周囲を公転する「太陽系外惑星」のなかに、生命に適した環境を持つ惑星は存在するのでしょうか?

そのような穏やかな環境を持つ可能性のある惑星は、これまでにもいくつか発見されています。しかしそのほとんどは、恒星から惑星までの距離をもとに、表面に液体の水が存在できる温度であることを単純計算で求めただけに過ぎません。

このため、生命にとって本当に適した環境なのかどうかを調べるために、太陽系外惑星の大気成分を調べる研究が行われています。特に、表面を覆う豊富な液体の水……すなわち「海」の存在や、生命活動に伴って放出される分子を見つけることは、惑星科学において探索される “聖杯” に位置付けられています。

太陽系外惑星の大気を調べる研究では大気を豊富に持つ惑星の方が観測しやすいため、生命に適した環境を持っていそうな惑星のなかでもより直径の大きな惑星が探索されます。そのような惑星は地球と海王星の中間くらいの大きさがあり、性質も中間的なものになるため、豊富な水素を含む大気の下に海が広がっていると考えられます。このような惑星は「ハイセアン惑星 (Hycean planet)」 (※) と呼ばれています。これは従来探索されてきた、地球のような小ぶりの岩石惑星とは異なるタイプの惑星です。

※… “Hycean” という単語は「水素 (Hydrogen)」と「海 (Ocean)」のかばん語です。

今回の研究対象となった「K2-18b」は、ハイセアン惑星の可能性が高い惑星の1つにあげられていました。2015年にNASA (アメリカ航空宇宙局) の「ケプラー宇宙望遠鏡」の観測で発見されたK2-18bは、地球の2.6倍の直径と8.6倍の質量を持ち、ハイセアン惑星の条件を満たすとみられています。K2-18bの平均密度は1立方cmあたり2.7gであり、水のような軽い物質が惑星の主成分の1つとなっていることを示唆しています。「ハッブル宇宙望遠鏡」による2019年の観測で大気中に水蒸気が見つかったことで、この推定はさらに強固なものとなっていました。

長文につきあとはソースて

https://news.yahoo.co.jp/articles/f59d6d2a514994bcc992b1915d6c3a6b5462b977