かつて東洋のローマとも呼ばれたインド・ゴア州。

 その沖合、約400キロのアラビア海で今年4月、気候変動対策として、ひそかに注目を集める「あるもの」が荒波にもまれていた。いかだに取り付けられた六つの筒状の容器の中で上下していたのは、人工的に作ったクジラのフン。いわば「人工クジラうんち」だ。

研究に協力した英ケンブリッジ大・気候修復センター研究員のジューン・ユンさんは目を輝かせる。

 「私たちは海中の『クジラポンプ』を人の手で助けてあげることで、気候変動を緩和できると信じているのです」

 いったいどういうことか。 

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