福島大学は、原子力発電所の事故の影響などについて共同で研究を続けてきたウクライナの研究機関が、ロシアの軍事侵攻で十分な活動が出来なくなったため支援を始めました。

福島大学は、チョルノービリ原発事故が起きたウクライナの研究機関などと2017年から事故が環境に与える影響について共同研究を続けてきましたが、ロシアによる軍事侵攻で施設や機器が破壊され、十分な活動が出来なくなっています。

このため福島大学は、連携してきたウクライナ国内の5つの研究機関を支援することを決め、現地の研究者1人を先月から受け入れています。

大学は19日会見を開き、受け入れた、放射線生物学が専門のオレナ・ブルドーさんが、所属する研究所について、建物の一部が破壊され立ち入り出来なくなっている状況を説明しました。

ブルドーさんは、ことし11月まで、放射線による生物への影響を評価する染色体を分析する技術を学ぶということです。

また、ウクライナ国内での研究を支援するため、すでに空間線量計を提供したほか、今後、追加の線量計に加えパソコンなども提供するということです。

会見でブルドーさんは「戦争によって生活が一変しましたが、日本の共同研究者と仕事ができる貴重な機会をいただきました。帰国後は、学んだ技術を生かしてネズミの染色体への放射線の影響を明らかにしたい」と話しました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20220819/6050019836.html