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日本の学生は苦しい立場にある

――日本の博士課程に進んだ学生たちは、研究の貢献に対する手当が少ない一方で、学費の負担が重く、生活が苦しい状況に置かれています。中国の学生の状況はいかがですか。

まず、中国の各大学の博士課程では無尽蔵に人を取っているわけではなくて、むしろ日本よりも人数に制限がある。日本では1つの研究室で1年に10人の学生を取ることも可能だが、それは学生がお金(授業料)を払っているからだ。

一方、中国の場合は、学生はお金を払うのではなくもらう側だ。復旦大学の場合、博士課程なら月に日本円で6万円ぐらい、生活費に費やせる奨学金が出ている。さらにほぼ無料の寮があり、授業料の自己負担も少なく、学食も割安なので、学生は生活に困らずに研究に集中できる。学生の支援にお金がかかるため、中国では定員は厳守だ。私の研究室で採用できる博士や修士は毎年、1人ずつだ。ただ、中国は大学の数も多いので、博士課程の学生の絶対数は(日本などと比べても)やはり多い。・・・