幼少期のトラウマが老後のアルツハイマーにまで影響する可能性が最新の研究で示唆される

 アルツハイマー病とは脳の認知機能が低下していく症状で、主に老化が原因で発病します。
 そのほか、飲酒が原因でリスクが倍増したり、睡眠時間が短いとリスクが高くなると報告されたりと、さまざまな要因がアルツハイマー病の発症に影響すると考えられていますが、2021年に発表された最新の研究では、「幼少期に経験したトラウマ(心的外傷)」が年齢を重ねた後の認知機能の低下に影響している可能性が示唆されました。

(中略)

 アメリカのイェール大学で医療経済学を研究するジュオアー・リン氏と同じく健康医療を研究するシー・チェン氏が2021年3月に公開した論文では、幼少期の状況と認知的老化との長期的な関係が調査されました。
 ここでは、家族の社会的経済状況を含むステータス、近所のつながり、友情や健康状態が、認知障害のレベルと認知機能の低下率の両方に大きく関係していることが示されています。

 対照的に、子どもの頃の近所の安全や地域の治安は認知障害のレベルにのみ影響しており、子どもの頃の母親との関係は認知機能の低下率にのみ影響しているとのこと。
 総合すると、小児期の環境の悪さの影響は、認知機能低下の速度よりも、認知機能障害のレベルに大きく表れていると、リン氏とチェン氏の研究では示されています。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

Gigazine 2021年06月03日 08時00分
https://gigazine.net/news/20210603-trauma-alzheimer/