一時音信不通から「奇跡」 室蘭工業大の人工衛星がミッション成功

 室蘭工業大は9日、大阪府立大と共同開発した超小型人工衛星「ひろがり」のパネル展開実験が成功したと発表した。
 3月の打ち上げ後にトラブルが続き、一連のプロジェクトの最大のミッション達成は「奇跡の連続」だったという。

 ひろがりは3月14日、国際宇宙ステーションから宇宙空間に放出された。
 折りたたんで収納していた太陽光パネルに見立てたプラスチック板(縦横12センチ、厚さ2ミリ)を展開する計画だったが、それから8日間、衛星からの電波が途絶えた。

 21日にようやく電波が届いたが、衛星のふたが開かず、30日に6度目の挑戦で成功。板の展開も1回失敗し、今月4日の2度目のトライで無事に開いた。

 バネを固定していたニクロム線を焼き切る熱が足りなかったとみられ、航空宇宙機システム研究センター長の内海政春教授は「真空プラス低温の環境での実験は、地上では難しかった」と話す。
 大学院修士課程2年のアン・イ・ヨンさん(25)は「確認できるまで、1週間が1カ月に思えるほど長く感じた。感動した」と振り返った。【平山公崇】

毎日新聞 4/10(土) 15:35
https://news.yahoo.co.jp/articles/1afa98ee7ec3b0fac132d6697f4c8187ceb336e3