刑務所のソフトウェアバグで何百人もの受刑者が釈放されず収監され続ける事態が発生

 2021年2月22日、アメリカ・アリゾナ州に拠点を置くラジオ放送局「KJZZ」が、アリゾナ州矯正局内で使用しているソフトウェアにバグが生じ、受刑者が予定より長く収監されてしまっているとの内部告発があったと報じました。

 Whistleblowers: Software Bug Keeping Some Inmates In Prisons Beyond Release Dates | KJZZ
 https://kjzz.org/content/1660988/whistleblowers-software-bug-keeping-hundreds-inmates-arizona-prisons-beyond-release

 アリゾナ州はアメリカ国内でも受刑者数が多い州であり、受刑者の半数近くが暴力を伴わない薬物犯罪によって有罪判決を受けた人々です。
 アリゾナ州は2019年に、特定の非暴力薬物犯罪によって収監されている受刑者を早期釈放する新しい法律を施行しました。
 SB1310と名付けられたこの(PDFファイル)法案は、薬物依存の治療などの適格なプロセスを完了した受刑者に対し、7日ごとに3日間の刑期短縮を実行するというもの。
 つまりプロセスを完了した受刑者は後の刑期が70%に短縮されるということですが、今回の内部告発により、この運用を行うシステムが実際には機能していないことが明らかになっています。

 アリゾナ州矯正局は2019年11月に「ACIS」と呼ばれるソフトウェアを実装し、受刑者の刑期などの管理を行ってきました。しかしこの件の内部告発者は「ACISは改正された法案に対応しておらず、刑期の計算はおろか、釈放可能なはずだったSB1310の対象者のリストアップもできない」と話しています。
 内部告発者は実装直後からアリゾナ州のIT部門に繰り返し警告していたとのことですが、修正は行われないままであり、従業員が手作業で計算しているのが現状だとのことです。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

Gigazine 2021年02月24日 16時00分
https://gigazine.net/news/20210224-software-bug-arizona-prison/