一部の精子は「毒」を放出して生命の競争に勝っていた

 生命が生まれるためには、精子が卵子にたどり着く必要があります。

 何億もの精子の中で、最初に卵子にたどり着いたものだけが、新たな生命として誕生することができます。

 しかし、この生命の最初の競争でさえ、フェアに行われていない可能性が出てきました。

 2月4日に科学雑誌『PLoS Genetics』で発表された新しい研究によると、精子は卵子に向かう際、他の精子の運動を妨害する毒を出しており、一部の精子だけがこの毒に対する解毒剤を生成する遺伝子を持っていると報告しています。

 このため、一部の精子はその不正な遺伝子によって、レース開始前から最大99%の受精成功率を獲得しているのだそうです。

■最初から勝てる者は決まっている

 研究者は、マウスの精子の運動を調べたところ、t-ハプロタイプという遺伝子要因を持つ精子が、他の精子に比べてより速く前進できていることを発見しました。

 そこで、この原因を調べていったところ、Rac1という分子スイッチが関係しているようだとわかりました。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

ナゾロジー 2021.02.05
https://nazology.net/archives/82407