「再生と消滅」を繰り返すサイクリック宇宙では時間は戻るのか?

----------
 自然界の多くは対称性をもっているのに、なぜ時間は一方向にしか流れないのか?
 古来、物理学者たちを悩ませてきた究極の問い。ケンブリッジ大学宇宙理論センターでホーキング博士に師事し、薫陶を受けた若き物理学者が、理論物理学の最新知見を駆使して、この難問に挑む思考の旅へと発ちました。
 量子力学と重力理論を統一する「量子重力理論」の有力候補として、前回はループ量子重力理論をくわしくご紹介しましたが、より人気を集めている候補が超弦理論です。
 「弦」はさらに「膜」を生みだし、そこから奇想天外な宇宙像「サイクリック宇宙」が発想されました。
 永遠に繰り返される「膨張」と「収縮」とは、時間の「順行」と「逆行」に対応しているのでしょうか?
 だとしたらサイクリック宇宙は、「時間の逆戻り」の強い味方になってくれるのでしょうか? 
----------

■2人の出会いから始まったサイクリック宇宙

 1999年8月、きらびやかな日差しのもと、美しい緑に包まれ、鳥のさえずりに満ちあふれたイギリス・ケンブリッジの夏。
 ケンブリッジ大学・アイザック・ニュートン数理科学研究所では、聴衆の熱い関心の中、ある超弦理論研究者による「ブレーン宇宙」をテーマにした講演が行なわれていました。

 この講演の終了後、まっさきに会場から2人の聴講者が、演者のもとに歩み寄り同時に同じことを口にしました。

 「ビックバンとは、2枚あるブレーンの衝突にほかならないのではないでしょうか?」

 この質問を、2人のうちどちらが口にしたのかわかりませんが、お互いに「同じことを考えている奴が、自分以外にもう1人いるんだ」と思ったそうです。
 後に共著書において、サイクリック宇宙論を提唱するポール・スタインハートとニール・トゥロックの出会いは、こうして始まったそうです。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

現代ビジネス 9/24(木) 10:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/adf0ce3187ca5b4e83f478b52daadf13961b4b55