→プラスチックが分解されナノサイズになると、細胞内に侵入して生物全体に悪影響を及ぼすおそれがある
→新しい研究では、甲殻類がマイクロプラスチックを4日でナノサイズにまで分解できると判明
→科学者たちの予測よりも迅速にプラスチックが分解されているため、生物への影響解明にも迅速さが求められる

現在、マイクロサイズのプラスチックは川や池、海などに広まっており、淡水・海洋に生息する生物に悪影響を与えています。

そして最近、アイルランドのコーク大学ユニバーシティカレッジの環境科学者アリシア・マテオス・カルデナス氏らの研究チームは、河川に生息する甲殻類が4日以内にマイクロプラスチックを微粒子サイズにまで分解することを発見しました。

微粒子サイズのプラスチックは細胞膜をすり抜けて細胞内に侵入するおそれがあるため、人間を含む生物への悪影響が懸念されています。

これまでの予測よりもはるかに素早い分解過程が明らかになったことで、プラスチックの環境への影響を考え直さなければいけなくなりました。
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■マイクロプラスチック、ナノプラスチック問題

近年、淡水・海洋生物やプランクトンの体内からは微小なプラスチックが検出されるようになっており、環境問題として注目されています。

微小なプラスチックには、サイズが100nm〜5mmのマイクロプラスチックと、100nm以下のナノプラスチックが含まれており、特にマイクロプラスチックは海洋生物の消化不全や胃潰瘍の原因となってきました。

また、マイクロプラスチックが断片化してできるナノプラスチックは細胞膜を通過して細胞内に入り込みダメージを与えるおそれがあります。

食物連鎖の中でナノプラスチックが蓄積されていくことで、時間と共に生物全体に悪影響が出るかもしれません。

もちろん、現在の段階では、ナノプラスチックが生物に与える影響ははっきりと分かっていません。しかし、潜在的な危険度を考えるなら、マイクロプラスチックよりもはるかに問題視されるべき物質だと言えるでしょう。

ただし、これまでの研究では、マイクロプラスチックの断片化は日光や波の作用によって数年もしくは数十年かかるものだと考えられてきました。

より危険かもしれないナノプラスチックは少量ずつしか作られないので、その対応は、マイクロプラスチックに比べて軽く見られる傾向にあったのです。

ところが、カルデナス氏らの研究によって、事態は大きく変わりました。実は、プラスチックの断片化は水中の生物によって迅速に行われていたのです。
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