今月23日、シベリア北部の湖岸にて、巨大マンモスの骨が発見されました。

北極圏研究センター(Arctic Research Centre)のチームは、最初に発見した地元住民の連絡を受け、現場に急行し、発掘作業を開始。

その結果、死後1万年は経過していると思われるマンモスの頭蓋骨、肋骨、脚骨の発掘に成功しています。

泥の中に埋まっていたせいか、保存状態が良好で、靭帯など軟組織が残っている骨も見られました。

同チームのドミトリー・フロロフ氏は「マンモスの全骨格が泥中に埋まっている可能性が高い」と話し、発掘作業を続けています。

またシベリアを含むロシアでは、これまでに多くのマンモスの骨が見つかっています。

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■温暖化により骨が出土している

骨が見つかったのは、ロシア中部のヤマロ・ネネツ自治管区にあるペチェヴァラヴァト湖です。
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フロロフ氏は「骨から判断すると、このマンモスはまだ若い個体のようですが、正確な年齢を知るには詳細な検査を待たなければならない」と話します。

マンモスは約1万年前に絶滅したと言われているため(一部地域ではもう少し長く生きていた証拠もある)、現段階では、少なくとも紀元前8000年前の個体と推測されています。
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骨の出土は、温暖化の影響で永久凍土が溶け始めていることが原因のようです。最近では、4万2000年前の子馬や3万2000年前のオオカミの頭が、同じ理由で見つかっています。

先月のシベリアでは、記録的な熱波が押し寄せ、例年より平均気温が高くなっていました。

一方で、気温の上昇と永久凍土の融解は、「骨狩り(bone hunting)」という違法産業を生み出しています。ハンターや探鉱者が、永久凍土から骨を採掘し、高値で売買しているのです。

今回のマンモスについては、他の骨格も周辺に埋まっていると考えられ、慎重な作業が続いています。マンモスの骨格全体が見つかるのは非常に稀なため、すべて復元できれば、マンモスの生態や当時の環境を知る上で貴重な資料となるでしょう。

https://youtu.be/8NdD_85TIpY

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