0001しじみ ★
2020/07/15(水) 08:48:40.16ID:CAP_USER→ミフェプリストンには崩れたバランスを取り戻し妊娠をキャンセルするバランサー能力があった
→しかしバランスを保っている限り子孫はうまれない
エボラ出血熱を治すために作られたレムデシビルが新型コロナウイルスの治療に転用可能だったように、開発された薬に目的外の効果がみつかることがよくあります。
今回、人間の妊娠初期の中絶に使われるミフェプリストンと呼ばれる薬が、進化的に大きく異なる2つの種(ショウジョウバエのと線虫)の生殖能力を奪う代わりに、寿命を延ばすことが判明しました。
何かを得るためには何かを失わなければならない…とは良く聞きます。
寿命延長の等価交換として、生殖能力は見合った対価なのでしょうか?
■不死への道は一点突破
研究を主導したランディス博士は老化にかかわる分子を探求していました。
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ほとんどの多細胞動物(目に見える大きさの動物)には寿命が存在し、時間と共に老化して死んでいきます。
ランディス博士は、この寿命と老化の仕組みはあらゆる多細胞細胞動物で共通な一方で、もし一つの種でも寿命を延長できたのならば、人間を含むあらゆる動物にも同じことが可能だと考えていました。
ランディス博士が、その最初の一種として扱っていたのは、遺伝学のモデル生物として長い歴史のあるショウジョウバエでした。
ランディス博士はショウジョウバエに様々な種類の化学物質を食べさせ、寿命に変化がうまれるかを調べていました。
そして今回、ミフェプリストン(RU-486)と呼ばれる化学物質に劇的な寿命延長効果を発見したのです。
ミフェプリストンは一般に、人間の女性のための中絶薬として使われているほか、ほとんどの癌とクッシング病として知られるホルモン異常の治療薬としての効果があります。
■ミフェプリストンは妊娠をキャンセルするほどの強いバランサー
ショウジョウバエを使った実験において、ミフェプリストンははじめ、交尾後のメスの寿命を延長させる薬として認識されました。
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しかしなぜメス、しかも交尾後の個体だけに寿命延長効果があるのかは、わかりませんでした。
そこでランディス博士は、ミフェプリストンがショウジョウバエにどのように働くのかを調べました。
結果、ミフェプリストンは強いバランサーとして働いていることが判明します。
メスのショウジョウバエは、交尾によってオスから性ペプチドを受け取ることで、体が生殖モードに転換しはじめます。
しかしながら生殖モードへの転換は身体の負担が大きく、ホルモンバランス(特に幼若ホルモン)が大きく変化して、体の各所の細胞で炎症が発生し、結果、メスの寿命は短くなってしまします。
しかしミフェプリストンは、このオスから与えられる性ペプチドの効果を打ち消すバランサー能力を発揮し、メスの体のホルモンバランスを正常化すると共に、体の変化に伴う炎症も軽減していることがわかりました。
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メスの寿命が延びていたのは、ミフェプリストンの強い作用により、生殖モードをキャンセルしていたからだったのです。
しかしこの時点では、ミフェプリストンの「生殖能力を対価とした寿命延長」効果がショウジョウバエだけに作用する可能性もありました。
そこでランディス博士はミフェプリストンを、ショウジョウバエとは遺伝的に大きく異なる線虫にも与えました。
線虫は雌雄同体の生物であり、もしミフェプリストンの寿命延長効果がショウジョウバエのメスだけに効く薬である場合は、線虫には効かないはずでした。
しかしミフェプリストンは線虫にも効き目を発し、線虫の生殖能力を奪うと同時に、寿命を延長させる効果をみせました。
この結果からミフェプリストンは、ハエや線虫などの多細胞動物の生殖や妊娠をバランサーとしてキャンセルする力があり、その副産物として寿命延長効果をもたらすことがわかりました。
続きはソースで
https://nazology.net/archives/64629