■過去10数年で最も明るい可能性、7月中頃からは夕方の北西の空に

ネオワイズ彗星が地球に接近中だ。天文学者は、ここ10年あまりで最も明るい彗星になるかもしれないと期待している。

 この彗星は現在、見るべき場所さえわかっていれば肉眼で十分見える明るさになっていて、その姿を眺めようと夜明け前の早起きを始めた北半球の天文ファンを喜ばせている。

 米アリゾナ州ペイソンの天体写真家クリス・シューア氏は、ネオワイズ彗星を「ゴージャス」だと表現する。7月7日の早朝に双眼鏡で彗星を観察した氏は、その尾の長さを約5度と見積もった。満月の見かけの大きさの約10倍だ。天文学者も可能性を指摘する通り、この調子で尾が伸びていけば「とてもドラマチックなことになるでしょう」とシューア氏は言う。

■見える時間帯と方角は?

 ネオワイズ彗星は、7月の中頃までは夜明け前にしか見ることができない。遅くとも日の出時刻の45分前には外に出て、北東の地平線のすぐ上を見てみよう。ぎょしゃ座のカペラという明るい星が目印だ。彗星はカペラのすぐ下にあり、東には金星(明けの明星)が見える。

 7月15日頃からは夕方の空で見えるようになり、さらに見つけやすくなる。日没後の北西の空、おおぐま座(北斗七星)の下に見えるはずだ。日を追うごとに地平線からの高度が高くなる。

貴重な天文現象を見る絶好の機会だが、観察するには少しだけ準備が必要だ。「空を見上げればすぐわかるというものではありません」と、米アリゾナ州にあるローウェル天文台の上級天文学者デイブ・シュライヒャー氏は言う。「見るべき場所がよくわかっている必要があります。それに、双眼鏡が役に立つでしょう」

 それでも、過去数日間にソーシャルメディアに投稿された写真を見ると、この彗星はかなり見応えがありそうだ。1997年の夜空に輝いたヘールボップ彗星以来の明るさになるかもしれない。2007年に地球の横を通り過ぎていったマックノート彗星は、今のネオワイズ彗星よりも明るかったが、見えたのは主に南半球だった。

「この彗星が大きな話題になるのは当然です」と、写真家のマルコム・パーク氏は話す。氏は7月5日の朝にカナダのオンタリオ州東部の自宅から、長く尾をひくネオワイズ彗星を撮影した。

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