→バッタの大群はアフリカ、アジアだけでなく南米でも勢力を拡大している
→ブラジルやアルゼンチンは世界的な穀物輸出国であるため、バッタの襲来を受けていない土地でも食糧不足の影響が出やすい
→それに加えて、バッタの襲来はそれまでに高まっていあ政治的混乱や軍事的緊張をエスカレートさせかねない

 70年に一度ともいわれる規模のバッタ大発生は、コロナの悪影響とも相まって、図りしれないダメージを各地に及ぼす公算が大きい。

■三大陸に広がるバッタ巨大群

 1月下旬に東アフリカで発生したサバクトビバッタの大群は、各地で繁殖を繰り返しながら、海を超えてアジアでも勢力を広げている。

 インドでは北西部から侵入したバッタの大群が農作物を食い荒らしながら、6月末までに首都ニューデリー近郊に迫っている。また、標高が高く、気温が低いため、これまでバッタの襲来が少なかったネパールでも、すでに1100ヘクタールの農地が被害を受けている。

 ところが、アフリカとアジアだけでなく、南米でもバッタが大繁殖している。

 その発生源はパラグアイとみられ、5月21日にはアルゼンチンのサンタフェにバッタの大群が出現した。今後、周辺のブラジルやウルグアイにも拡大する恐れがある。

■世界全体で食糧価格が高騰する恐れ

 各国の政治、経済がコロナで混乱するなか、三大陸に広がるバッタの大群は、人間社会に大きな悪影響を及ぼすとみられる。その第一が、食糧危機だ。

 すでにコロナによって各国の農業や流通には大きな影響が出ている。国内の食糧不足への懸念から、輸出を制限する国が増えていることは、これに拍車をかけている。

 ウォールストリートジャーナルによると、コロナ蔓延後の食糧価格は、過去40年間で最も早いペースで上昇している。

Plague of locusts threaten Argentina's crops https://youtu.be/0PCbqAXreRk

 バッタによる農作物被害は、これをさらに加速させる懸念が大きい。国連の食糧農業機関(FAO)は、このままでは地球の土地の約20%、世界人口の約10分の1がダメージを受けると警告している。

 東アフリカやアジアなどではすでに食糧価格が上昇しているが、このうえ南米でもバッタの被害が拡大すれば、影響はより深刻なものになるとみられる。ブラジルやアルゼンチンは世界屈指の穀物輸出国だからだ。アトラスによると2018年の全世界におけるトウモロコシ輸出額のうち、ブラジルは12.6パーセント、アルゼンチンは12.3パーセントを占める。

 つまり、このままバッタの被害が拡大すれば、バッタが直接やってこない土地の食糧価格にも影響を及ぼしかねない。

続きはソースで

https://rpr.c.yimg.jp/im_siggxNmdOWoMfKJkdOXcK3YaMQ---x800-n1/amd/20200708-00186688-roupeiro-000-24-view.jpg
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20200708-00186688/