新型コロナウイルスへの感染で重症化しやすいのは血液型がA型の人――。欧州の研究チームが、スペインとイタリアの感染者のゲノム解析からこんな傾向を明らかにした。血液型による症状の違いは統計学的には指摘されていたが、血液型を決める遺伝子でも違いが確認されたという。

 研究チームは、新型コロナに感染した際に、なぜ人工呼吸器が必要になるなど重症化する患者と、発症しても軽症で済む患者がいるのか、人によって異なる症状の違いを遺伝子の特徴から調べた。欧州の感染の中心地となっていたイタリアとスペインの7病院の患者1980人と、2300人以上の健康な人や新型コロナに感染したが軽症で済んだ人を比較。遺伝子配列のわずかな違い(SNP)850万カ所以上を解析した。

 すると、重症者で明らかに多い特徴が2カ所で見つかった。その一つが9番染色体にある血液型の決定に関連する遺伝子だった。A型の人は他の血液型と比べて5割ほど重症化するリスクが高く、逆にO型の人は5割ほど低かった。BとAB型では、有意な違いは見いだせなかった。血液型ごとに異なる生まれつき持つ抗体が関係しているか、遺伝子の違いで生じる血液を固める因子の働きなどが影響している可能性があるという。

朝日新聞デジタル
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