兵庫県病害虫防除所(同県加西市)は、果樹類に被害を与えるカメムシが大量発生しているとして、県内全域に病害虫発生予察注意報を出した。カメムシは隔年で発生量が増減し、今年は多い「表年」だが、担当者は「過去にないほどの数。気温が上がるにつれ、さらに増えると予想される」と注意を呼び掛けている。

 同防除所によると、果実が小さい段階でカメムシが果汁を吸うと跡が残り、品質低下を招く。同所はナシやモモ、カキなどを生産する県全域の農家に、見回りの強化や早めの袋掛けを推奨。発生や被害を確認すれば、すぐに薬剤で防除するよう求めている。

 同所内で4〜5月、誘引剤を使って調査したところ、チャバネアオカメムシの捕獲数が、過去5年の表年で平均の約5.3倍に上った。県立北部農業技術センター(朝来市)でも約3.4倍だった。担当者は「裏年の昨年に大量発生し、暖冬で越冬できた個体も多かった」と原因を予測。「発生が長期化する恐れもあり、見回りを強化してほしい」としている。

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