新型コロナウイルスの治療薬として期待されているぜんそく薬の「オルベスコ」について、国立国際医療研究センターは薬を投与する患者と投与しない患者に分けて比較する臨床研究を行い、有効性の検証を進めていることを明らかにしました。

新型コロナウイルスに対する特効薬はなく、世界各国で既存の薬に有効性があるかどうか確かめる治験や臨床研究が行われています。

東京 新宿区にある国立国際医療研究センターは29日、オンラインで開いたセミナーで、吸い込むタイプのせんそくの治療薬「オルベスコ」について、患者に投与して有効性を確かめる臨床研究を進めていることを明らかにしました。

臨床研究は、軽症の患者90人を薬を使う患者と使わない患者に分けて、1週間後にCT検査で肺炎の症状を比較する計画で、すでに26人が登録されているということです。

臨床研究は10月末まで行われ、有効性を判断したいとしています。

杉山温人病院長は「複数の医療機関で患者の症状が改善したという報告はあるものの、有効性は科学的に証明されていない。しっかりと検証したい」と話しています。

またセンターでは全国で入院した患者について、医師らが症状の経過や受けた治療などを登録するデータベースを構築していることも明らかにしました。

すでに1500人余りが登録されているということで、詳しく分析して、予防や治療の開発に役立てることにしています。

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NHKニュース
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