クルマ一台には約3万点もの部品が使われていて、組み立てに多くのコストが掛かっています。
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そんな中、アメリカの自動車メーカー「テスラ」は車体下部に使われている70個の部品を一体化した新型SUV「Model Y」を発売。

CEOのイーロン・マスク氏によると、今後テスラは部品組み立てのコストを抑えるために、溶かしたアルミニウムと鋳型を用いた「大型鋳造」で車体を生産するようです。

実際にテスラは大型鋳造のために世界最大規模の5500トンも重量のある鋳造機を購入。鋳造設計の特許を申請しています。

今はまだ車体の一部のみですが、将来的には車体を一つの部品だけで作れるようになるかもしれません。

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■分解によって見えたモデルYの大型鋳造リアパーツ

テスラのモデルYをバラバラに分解することで、大型鋳造により製造された車体下部のリアパーツの全貌が明らかになりました。

リアパーツは下図のオレンジ色で示した場所に取り付けれられています。
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実際に分解して取り出した写真が下図です。
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リアパーツの半円状の箇所にタイヤがハマり、上部には後部座席が設置されます。


従来モデルで使われていた、70個の部品で組み立てた同じリアパーツと比べると、部品数を減らすことで生産が簡単になっただけでなく、軽量化まで出来ることが判明しています。
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一体化されたリアパーツはモデルYの後部1/3を占める大きさなので、大型鋳造により、電気自動車にとって大切な航続距離を伸ばすことにも繋がるようです。

■テスラの技術は自動車業界の10年先を行く


テスラは圧倒的な技術力を持ち、世界の電気自動車(以下、EV)業界を牽引してきました。
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現在発売しているEV「MODEL S」は0-100 km/h加速が2.5秒と速く、610 kmも走り続けることが可能で、テスラは世界トップの性能をもつEV会社といっても過言ではありません。

今回のリアパーツのように、新しい技術やアイディアを実現する面で、日本を含む他社の自動車会社を圧倒しています。

その一方、高度な技術を盛り込みすぎて、生産が追いつかないことが問題視されており、今回の70個の部品の一体化がその解決の糸口になるのではないかと期待されています。

テスラは自動車業界の10年後を先行する会社と言われているので、今後、日本の自動車業界も、テスラのようにパーツ数を少なくする生産方針になるかもしれませんね。

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