プレスリリース@東北電力、2020年 3月27日
女川原子力発電所2号機管理区域内における作業員の微量な放射性物質の体内への取り込みについて
東北電力 > プレスリリース2020年分 > プレスリリース詳細
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1214216_1065.html
東北電力
https://www.tohoku-epco.co.jp/

■■記事全文

 昨日11時30分頃、女川原子力発電所2号機の原子炉建屋1階(管理区域)において、協力企業の作業員3名のうち1名が、
作業終了後、管理区域からの退出のため、通常実施している体表面の放射性物質の有無を検査したところ、顔面部の汚染が確認されました。

 このため、速やかに顔面部の除染を実施し、再度測定を行い、体表面に汚染が無いことを確認したうえで管理区域から退出しました。

 なお、協力企業の作業員3名は、弁の分解点検を行っており、当該弁は、原子炉再循環系※1から原子炉内の水試料を採取するための配管に設置されています。

 その後、内部被ばくの有無を検出する装置により、放射性物質の体内への取り込みの有無を確認したところ、昨日17時00分頃、微量な放射性物質を体内に取り込んだ疑いがあることが分かりました。

 これを受け、本日、当該作業員の再測定※2を実施したところ、9時30分、微量な放射性物質(コバルト60※3)を体内に取り込んだことが判明しました。

 この測定による内部被ばく量(今後50年間で受けるとした場合の内部被ばく量)は、0.05ミリシーベルト※4であり、一般の方が自然界から受ける1年間の線量(平均約2.1ミリシーベルト)に比べて極めて低く、身体に影響を与えるものではありません。

 また、医師による診察が行われ、診断結果については、後日判明することとなっております。

 当該作業員が放射性物質を体内へ取り込んだ原因については、現在調査中です。

 本事象による、外部への放射線の影響はなく、他の作業員の体内への取り込みも確認されておりません。

 なお、本事象は、法令に基づく国への報告が必要となる事象(トラブル)に該当しません。

以 上

※1 原子炉内の冷却水を原子炉圧力容器から取り出し、ポンプで原子炉に戻す循環系統。
※2 正確な値を測定するためには、自然界に存在する放射性物質による影響がなくなった状態で測定する必要があることから、本日、再測定を実施。
※3 原子炉周りの配管に含まれる金属が放射化したもので、人工放射性核種の一つ。がん治療に用いる放射線源として用いるほか、工業利用としてタンクの水位計、農業利用としてジャガイモの発芽防止、医療器具の殺菌などにも使われている。半減期は約5.3年。
※4 被ばくによる人体への影響を評価するための単位。法令に定める線量限度は、年間50ミリシーベルト、かつ5年間で100ミリシーベルト。

「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/__icsFiles/afieldfile/2020/03/27/1214216.pdf