市中感染の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における咽頭および鼻咽頭拭い液でのウイルス量の推移に関する報告(東京慈恵会医科大学附属病院)(2020.3.19)

■■一部抜粋(後半略)

症 例
市中感染の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における
咽頭および鼻咽頭拭い液でのウイルス量の推移に関する報告
1)
東京慈恵会医科大学附属病院感染症科 2)東京慈恵会医科大学附属病院感染対策部
3)東京慈恵会医科大学熱帯医学講座
中拂 一彦 1) 保科 斉生 1) 中澤 靖 1, 2) 美島 路恵 2)
澤木 賢司 1) 坂本 洋平 1) 宮島真希子 1) 李 広烈 1)
保阪由美子 1) 堀野 哲也 1) 吉田 正樹 1) 齊木 選射 3)
櫻井 達也 3) 大手 学 3) 嘉糠 洋陸 3) 堀 誠治 1)

序 文
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019 年
12 月に中国武漢市で初めて報告された新型コロナウ
イルス(SARS-CoV-2)による呼吸器感染症である.流
行地域は東アジア,中東,ヨーロッパ,北米および南
米へと拡大し,2020 年 3 月 11 日には COVID-19 が
パンデミックの状態にあるとの見解が WHO より発
表された 1).本邦では,2020 年 2 月の中旬頃より,
流行地域からの訪日者や COVID-19 発症者との明ら
かな接触歴が無い者,直近に流行地域の滞在歴が無い
者での COVID-19 発症の報告が相次いでおり,2020
年 2 月の段階で既に散発的に国内で市中感染が生じ
ていた可能性が示唆されている.今回我々は,倦怠感
と食思不振のみを主訴とする国内市中感染型の
COVID-19 発症例を経験したため,ここに報告する.
本学では,事前に SARS-CoV-2 の検査体制(RT-qPCR
(以下 PCR)を用いた同定・定量)を整備しており,
咽頭拭い液と鼻咽頭拭い液の経時的なウイルス量の
変化を確認することができたため,この結果も合わせ
て提示する.本報告を行うことに関しては,個人情報
に十分配慮することを条件に,患者本人より了承を得
ている.

症 例
【患者】40 歳代女性.首都圏 A 県在住.
【生活歴】会社員(非接客業). COVID-19 流行地
域への渡航歴,当該地域出身者との接触歴,あるいは
COVID-19 患者(疑い例含む)との明らかな接触歴は
なし.自宅でのペット飼育なし.喫煙歴なし.

【病歴】2020 年 X 月 Y 日(day 0)から倦怠感を自覚
していた.倦怠感は徐々に増し,次第に食欲も低下し
たため,X 月 Y+9 日(day 9)に当院内科を受診した.
倦怠感出現時から初診時まで発熱はなく,咳嗽や呼吸
困難感などの症状も認めなかった.バイタルサインは
いずれも正常範囲内であり,呼吸音,心音はともに正
常であった.内科初診医の判断により,器質的疾患の
除外目的で胸腹部 CT 検査を施行したところ,左 S6
に非区域性のスリガラス変化 (Fig. 1),左下葉末梢側
に周囲にスリガラス変化を伴う帯状の浸潤影を認め
た(Fig. 2).

■■以下略、続きはソースをご覧ください。

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200319_3.pdf
一般社団法人 日本感染症学会
http://www.kansensho.or.jp/