女性の部位別がん罹患(りかん)率でトップとされる乳がん。治療で失った乳房の再建のため、腹部などから取り出した脂肪を欠損部に注入する方法が広まるなか、横浜市立大付属市民総合医療センター(横浜市南区)が、患者の脂肪から取り出した「幹細胞」を培養し、脂肪に混ぜて注入する新たな方法での乳房再建を始めた。注入した脂肪の定着率が向上する効果があり、従来の方法より注入回数が減って患者の負担も減るという。

 25日に同センターが横浜市役所で記者会見を開いて明らかにした。同センターは「全国の大学病院で初の試み」としている。

 会見した同センターの佐武利彦・形成外科部長によると、新たな方法は、患者の体から少量の脂肪を吸引▽そこから幹細胞(新しい脂肪組織などをつくり出す働きがある細胞)を取り出して培養し、凍結保存▽再建手術時は腹部や太ももなどから再建に必要な量の脂肪を吸引し、そこから血液などの不純物を取り除いた「純脂肪」と、培養しておいた幹細胞を混ぜ合わせて欠損部に注入する。

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朝日新聞デジタル
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