酸素を多く含んだ湖面近くの水が湖底の水と混ざり合う琵琶湖の全層循環が大幅に遅れている。例年は1〜2月に起こる現象だが、今季はまだ確認できていない。昨年夏以降の高温続きが一因とみられている。1979年の観測開始以来、最も遅かった3月19日(2007年)を更新することが確定した。湖の底層に酸素が十分行き届かず、生態系への影響も懸念される事態だ。

 全層循環は冬に琵琶湖の表層の水が冷やされて下層に沈み込み、下層の水が上昇して上層と混ざり合う現象。酸素を多く含んだ表層の水が湖底に届くことで生物がすみやすい環境になり、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれている。

 全層循環については、琵琶湖環境科学研究センター(大津市)がほぼ週1回、高島市の今津沖の水深約90メートルの観測点で調べている。18日の調査では、水深70〜80メートル域まで表層の水が達していた。しかし、表層の溶存酸素量(DO)は1リットルあたり10・9ミリグラムだったのに対し、底層のDOは3・3ミリグラムと数値が離れたままだった。

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朝日新聞デジタル
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