研究開発が急速に進む人工知能(AI)を使った診断、治療の支援技術について、厚生労働省は、診療に関する最終的な判断の責任は医師が負うとする見解をまとめた。AIの医療応用では、AIが推測する情報が誤っている事態などが想定され、責任を明確にして開発を促す。

 米国では昨年4月、食品医薬品局(FDA)が網膜画像から自動で糖尿病網膜症を診断するAIを医療機器として初めて認可。国内でも内視鏡画像からがんを特定したり、MRIの脳画像から認知症を早く見つけたりする研究が進んでいる。

 ただ、AIが誤った結論を出すこともある。AIの活用を進める厚労省の有識者会合は2017年、確定診断や最終的な治療方針は医師が決め、その責任も負うべきだとする報告書をまとめた。

 その後、厚労省研究班は報告書でAIを「診療の過程で医師に効率よく情報を提示する支援ツールに過ぎない」とし、「判断の主体は少なくとも当面は医師」と結論づけた。また、AIが誤る事態などを前提に医師への適切な教育も求めた。

 見解は、AIを使っても実際の診断、治療の主体は医師で、最終的な判断の責任も負うと整理。医師法で規定された医業にあたると確認した。厚労省は都道府県に通知し、関係機関への周知を求めた。

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朝日新聞デジタル
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