ラムサール条約湿地の伊豆沼・内沼(宮城県)で、県から絶滅危惧T類に選定されているタナゴが、2006年の調査以来、久しぶりに確認された。県伊豆沼・内沼環境保全財団が進める外来魚オオクチバス(通称ブラックバス)の防除活動によって在来魚が回復してきており、その成果の一つと考えられるという。

 財団によると、今回確認されたタナゴは2018年7月に実施された調査で、湖岸に設置された定置網にかかっていた。

 伊豆沼・内沼では、1990年代以降、オオクチバスの食害によってタナゴなどの小型魚が激減。こうした魚を食べていた、カイツブリといった水鳥の生息数も減少した。

 オオクチバスの食害が悪化する前の96年に実施された調査では、タナゴは定置網1枚当たり平均1・4個体捕獲されていた。2004年には0・1個体以下まで減少し、06年の調査で2個体が捕獲されたのを最後に姿を消していた。

 今回確認されたタナゴは、周辺のため池から移動してきた可能性が高いと見られる。財団の藤本泰文研究員は「沼では駆除によりオオクチバスが減少してきており、生息環境が復活しつつある」と話している。

■2018年7月の調査で捕獲されたタナゴ=県伊豆沼・内沼環境保全財団提供
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朝日新聞デジタル
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