京都大iPS細胞研究所の元特定拠点助教(懲戒解雇)がiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する論文で不正を行った問題で、京大は28日、元助教が6年前、米科学誌に発表した別の論文1本が撤回されたと発表した。iPS研が、元助教が関わった過去の論文を自主的に調べた結果、この論文について実験の記録が十分に残っていないなどの不備があったためという。

 元助教が京大の別の研究所で研究を行い、2012年6月に米科学誌セル・ステム・セルに発表したES細胞(胚性幹細胞)に関する論文。iPS研の調査で、実験に使われた一部の細胞やデータが保存されていないことがわかり、同科学誌に伝えたところ、「論文の撤回が妥当」との回答を得た。データの捏造ねつぞうや改ざんなどの不正があったかは検証していないという。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181228-OYT1T50042.html