■「クジベローサ・テルユキイ」

岩手県で12年前に見つかった昆虫の化石が新種とわかり、調査した研究グループは昆虫好きで知られ、テレビの昆虫番組に出演している俳優の香川照之さんにちなんだ名前をつけたと発表しました。研究グループは香川さんが子どもたちの昆虫への関心を高めていることに感謝して命名したとしています。

昆虫の化石は12年前に、岩手県久慈市で掘り出されたこはくの中から見つかり、大きな鎌のような前脚を持っていることなどからこれまでおよそ8600万年前のカマキリの一種と考えられていました。

化石を大阪・箕面市にある箕面公園昆虫館の中峰空館長らのグループが調べたところ、前脚の「付節」と呼ばれる部分にとげがあるなどカマキリにはない特徴が複数確認され、これまで発掘の報告がない「トガマムシ科」の新種の可能性が高いことがわかったということです。

「トガマムシ科」の昆虫は鎌のような前脚が特徴で、現在もその仲間がアフリカに生息しています。

新種を確認した人は学名をつけることができることから、研究グループでは昆虫好きで知られ、NHK、Eテレの番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」に出演している俳優の香川照之さんの名前にちなんで「クジベローサ・テルユキイ」と命名したということです。

理由についてグループでは、香川さんが子どもたちの昆虫への関心を高めていることに感謝して名付けたと話しています。

新種についての論文は生物の分類学の学術誌、「ZooKeys」のオンライン版に4日、掲載されます。

新種を確認した箕面公園昆虫館の中峰館長は「昆虫館で子どもたちと接していると、香川さんのおかげで昆虫に対するしきいが低くなったことを実感します。昆虫が好きでも表に出して言えなかった子が、“虫が好きです”と言っても受け入れられる土壌が形成されたのは非常に大きいと感じていて、香川さんには感謝の気持ちとともにこれからもよろしくお願いしますと伝えたいです」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181204/K10011734671_1812041948_1812041953_01_02.jpg

NHKニュース
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