弥生人はどのようにして誕生したのか――。国史跡・青谷上寺地遺跡(鳥取市青谷町)で発掘された弥生時代後期(2世紀)とみられる人骨のDNA分析が今年から始まった。32人分のDNAを解析したところ、1人の縄文人系をのぞいて31人が渡来人系だったことが分かった。縄文人にだんだん渡来人が混じって弥生人になるというこれまでの定説とは少し違う様相となっている。

 人骨のDNA分析を進める研究班代表の国立科学博物館(茨城県つくば市)の篠田謙一副館長(人類学)によると、2000年に同遺跡の溝から見つかった人骨の上あごと下あご計37個からDNAの採取を試みたところ、34個から抽出できた。うち、同一人物のDNAを上あごと下あごから採取したとみられる二つをのぞき、32人分について、母系のルーツが分かるミトコンドリアのDNAを分析した。

 遺伝情報であるDNAは4種類の塩基(A、T、G、C)が連なったもので、その配列パターンは血縁関係や人種が近いほど似たものになる。これまでの研究により、縄文時代の日本列島に多く認められる配列(縄文人系)と、中国大陸の各地で見られる配列(渡来人系)はパターンが異なることが分かっている。

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朝日新聞デジタル
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