米航空宇宙局(NASA)は11月29日、月表面への実験機器などの輸送を民間企業に委託し、早ければ来年の打ち上げを目指すと発表した。NASAは国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送を2012年から民間企業に委託しているが、月でも民間技術を利用してコスト削減を狙う。

 NASAは月への輸送を担う企業の候補として米ロッキード・マーチン社など9社を発表した。日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」(東京都港区)が参加する宇宙航空関連の米非営利組織「ドレイパー研究所」のチームも候補に選ばれた。NASAは今後、各社の技術力などを見極め輸送を担う企業を選ぶ。

 予算は10年間で最大26億ドル(約3000億円)の見込み。宇宙飛行士の月面での滞在に備え、放射線の計測機器などの輸送が検討されている。NASAは23年にも宇宙飛行士を月周辺に送り込み、その後、飛行士の月面着陸を目指している。

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 アイスペースは30日、広報担当者が記者会見し、「小型、軽量、高頻度の月輸送サービスを実現したい」と意気込みを話した。同社は宇宙輸送機の設計や運用を担当するという。

■ロッキード・マーチン社が開発を目指す月面無人着陸船のイメージ図(ロッキード・マーチン社提供)
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読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181130-OYT1T50099.html