0001しじみ ★
2018/08/23(木) 10:16:16.47ID:CAP_USERSwiss startup Energy Vault is stacking concrete blocks to store energy — Quartz
https://qz.com/1355672/stacking-concrete-blocks-is-a-surprisingly-efficient-way-to-store-energy/
Energy Vaultのコンクリートバッテリーの仕組みは水とダムを使用する代わりに、コンクリートブロックとクレーンを使用するというものです。コンクリートバッテリーは、揚水式水力発電で行っていた水のくみ上げの代わりにコンクリートブロックを高く積み上げていき、電力需要が一定を超えたときに積み上げられたコンクリートブロックをクレーンで順番に地面に下ろしていきます。このブロックを地面に下ろすタイミングでケーブルに発生する落下エネルギーが電力として供給されることになります。
Energy Vaultのコンクリートバッテリーは電力効率の高さが特徴です。2018年時点でエネルギー効率の高いものの代表格としてリチウムイオン電池が挙げられており、その効率は充電量の90%の電力が生成可能であるとされています。コンクリートバッテリーはブロックの持ち上げに必要な電力に対して、地面に下ろすときに生成する電力は約85%となっており、リチウムイオン電池とほぼ同等のエネルギー効率を有しています。
記事作成時点でEnergy Vaultがデモ用に構築したコンクリートバッテリーは高さ20m、コンクリートブロックを持ち上げるクレーンは1台と、非常に小さな施設となっていて、あまり大きな電力を生み出すことはできません。しかし、Energy Vaultの構想によると、実際に建設するコンクリートバッテリーの高さは120m、ブロックを持ち上げるクレーンの台数は6台と非常に大型の施設が計画されているとのこと。なお、この大型施設を実現した場合、生成できる電力量は最大で20メガワット時となっており、スイスの一般家庭2000軒分の電力を1日賄うのに十分な電力量を供給することが可能とのことです。
また、コンクリートバッテリーは電力の供給コストが非常に割安なことも特徴です。2018年時点において、発電用途で使用されるリチウムイオン電池は1キロワット時あたり280ドル(約3万1000円)〜350ドル(約3万9000円)となっていますが、コンクリートバッテリーでは150ドル(約1万7000円)と試算されています。
コンクリートはリチウムイオン電池よりもはるかに安く手に入ることから、施設の建設コストの面でも有利であるとEnergy Vaultは述べています。ブロック内に使用するコンクリートとして、建設工事などで出た不要品を使用すれば、材料費をさらに安価にすることが可能です。
コンクリートバッテリー技術はハードウェア面で新しいものはありませんが、ソフトウェア面で工夫されています。実際にコンクリートブロックをクレーンで持ち上げると、風の影響でブロックがグラグラと揺れてしまうことで、ブロックの積み上げに無駄な電力を消費することが考えられます。そこで、Energy Vaultはクレーン制御のプログラムの中に風の影響を最小限に抑える仕組みを実装しており、多少の風を受けてもブロックの積み上げには支障が出ない工夫がされています。
完璧な施設に見えるEnergy Vaultのコンクリートバッテリーですが、課題も存在しています。2018年時点では電力供給コストが非常に低い金額となっていますが、リチウムイオンバッテリーは将来的に1キロワット時あたり10ドル(約1100円)のコストにまで下がると予想されています。このため、Energy Vaultがエネルギー貯蔵分野でトップに立つには、電力供給コストのさらなる低価格化などを図っていく必要性が指摘されています。
Energy Vaultのコンクリートバッテリーについては、以下のムービーでも簡単に解説されています。
■動画
Storing energy in concrete blocks https://youtu.be/mmrwdTGZxGk
https://i.gzn.jp/img/2018/08/21/concrete-battery-swiss-startup/00_m.jpg
https://i.gzn.jp/img/2018/08/21/concrete-battery-swiss-startup/01_m.jpg
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180821-concrete-battery-swiss-startup/