探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子を分析した結果、イトカワの母体となった天体が、約15億年前に他の天体の衝突により破壊されたとみられることが分かったと、大阪大の寺田健太郎教授(宇宙地球化学)らのチームが7日付の英科学誌電子版に発表した。
 破壊後、再び集積、合体してイトカワとなったと考えられ、「太陽系誕生初期から現在までの歴史解明につながる」としている。
 イトカワは地球と火星の周辺の軌道を回る小惑星で、長さ約500メートル。
 はやぶさは2003年に打ち上げられ、05年にイトカワに着陸。10年に地球に帰還し、世界で初めて小惑星の微粒子を持ち帰った。
 チームが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から配分された直径約50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微粒子4粒の中にある物質を分析したところ、約46億年前に結晶化し、約15億年前に衝撃による変成を受けていたことが判明した。

https://www.sankei.com/photo/images/news/180807/sty1808070013-f1.jpg
https://www.sankei.com/photo/images/news/180807/sty1808070013-f2.jpg

https://www.sankei.com/photo/story/news/180807/sty1808070013-n1.html