12万人のセシウム内部被曝の子供に健康被害はなかった
          長瀧重信国際被爆医療協会名誉会長長崎大学名誉教授

我々は、事故当時10歳以下だった子どもを対象に、3項目の診断を行いました。
甲状腺と血液、そして体内に蓄積されたセシウム137。
これらを調査すべく被曝地を巡回し、最終的にはおよそ12万人の子どもを診察したのです。

結論からいえば、放射性ヨウ素に起因する甲状腺ガンは確かに増加していましたし、
体内のセシウムの量についても、驚くべき数値を示す子がいたのです。
診察した12万人のうち8割弱は、体内セシウムが体重1`あたり0〜50ベクレルという値に留ま
りましたが、中には200〜500ベクレルの子が2700人、さらには376人の子が500ベクレル
以上の数値を示していました。

これは、子どもたちが被曝地で採れたキノコなどの食材を摂取し続けていたためで、
ホールボディカウンターで検査していると、セシウムの値を示すモニターのグラフ値が
どんどん上昇していったことを覚えています。
このとき長瀧氏は、直感的に大変なことになる」と思ったという。

キロあたりの体内セシウムが500ベクレル以上というのは、体重30`に換算すると、
実に1万5000ベクレル以上が蓄積されているということ。
正直、凄まじい量の放射線に汚染されてしまっている、と驚きました。

ガンとか白血病とか、あるいはもっと酷い症状になるのかもしれない。
端的に言って「何が起こるかわからない」とさえ思ったものでした。

しかし、1986年の事故から25年が経った今、セシウムによる健康被害は未だに認めら
れていません。

その意味では、90年に私が抱いた直感は間違っていたわけです。
これは、多くの国際機閑と世界の科学者が集まって作られた「2つの報告書」によって、明確に
示されています。

https://fukuoka-hanarabi.com/data/20110907.pdf