南海トラフ巨大地震が起きると、大阪湾では海底に堆積たいせきした亜鉛やカドミウムなどの重金属が津波で巻き上げられ、
海水中の濃度が基準値の100倍を超える場所も出るとの研究結果を、
神戸大の林美鶴・准教授(沿岸海洋学)らのチームがまとめた。

 人の健康被害につながる可能性は低いが、魚の大量死など生態系に影響を与える恐れがあるという。
千葉市で開かれる日本地球惑星科学連合大会で21日、発表する。

 チームは、紀伊水道沖を震源にマグニチュード8〜9級の地震が発生したとの想定で、
海底の堆積物がどう拡散するかをスーパーコンピューターで計算。亜鉛、鉛、水銀、カドミウム、
クロムの5種類の重金属について、濃度の変化をみた。

 その結果、大阪湾東部に高さ約5メートルの津波が押し寄せた場合、
淀川などの河口付近では地震発生から10時間後までに、
濃度が基準値の数十倍になる場所が複数出現。亜鉛と鉛では100倍を超える所が多かった。

関連ソース画像
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20180519/20180519-OYT1I50023-N.jpg

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180519-OYT1T50077.html