厚生労働省が発表した2015年時点の市区町村別の平均寿命で、
横浜市青葉区が男性の全国トップ(83・3歳)に輝いた。

 同区は女性も全国9位(88・5歳)となったほか、神奈川県内からは同市都筑、
緑両区や川崎市麻生、宮前両区なども上位入り。
東京に近く、高所得者層も比較的多いとされる地域で長寿傾向が顕著に表れた格好で、
両市は「いずれも緑豊かな地域で、健康への意識の高さも影響したのではないか」などとしている。

 平均寿命は、同省が国勢調査などから推計し、5年ごとに発表している。
青葉区は今回、全国平均を2・5歳上回り、10年ぶりに全国トップに返り咲いた。
青葉区の小出重佳区長は「今後も健康で生きがいが実感できる区を目指す」と話す。

 横浜市は「市民への意識調査では、青葉区民の健康に関する関心の高さが確認されている」とする。
16年度の調査によると、青葉区の60歳代男性の54%が週に2回以上、30分を超える運動をしていたのに対し、
全国ワースト21位の中区では26%にとどまっていた。

 市は「青葉区では、がんや心疾患、脳血管疾患のいわゆる『3大疾病』で亡くなる人も少ない」としており、
今後、横浜市立大とともに結果を解析するなどし、
医療費の削減や市民の健康増進につながる施策の実現を目指す考えだ。

 男性(83・1歳)が全国2位、女性(88・6歳)が同4位となったのは川崎市麻生区。
市の担当者は「スポーツジムなどを利用する住民が多く、健康への意識が高い」と話す。

 一方、川崎市川崎区の男性は全国ワースト11位(78・2歳)。青葉区とは5・1歳もの差が開いた。
川崎区は単身の高齢者世帯の割合が15年時点で11・5%に上り、川崎市内で最も高かったといい、
市は「家族とともに健診を受ける機会が少ないことなどが関係している可能性がある」とする。

 黒岩知事は18日の記者会見で、多くの自治体が全国平均を上回ったことについて
「健康に対する意識を喚起してきた。非常にうれしいことだ」とする一方、
「平均寿命の延びに、(日常生活に制限がない期間を指す)健康寿命の延びが追いついていないかもしれない」と指摘。
病気になる手前の状態を指す「未病」の改善などの施策に力を入れていく考えを示した。

関連ソース画像
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20180418/20180418-OYT1I50036-N.jpg

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180418-OYT1T50118.html