■「酸蝕症」のリスク因子として上位に挙がる「ワイン」

 ビジネスにおいて、いつの時代でも重要なのは、人との出会いや繋がりである。

 特に、組織の垣根や国境を越えてビジネスを展開する現代のグローバル社会において、
良好な人間関係の構築は、仕事を円滑に進めるのに加えて、
新たなビジネスチャンスを生みだす可能性を広げる基盤となることから、決して欠かすことはできない。

 そうした人と人との出会いのきっかけや、
繋がりを深めたりするコミュニケーションツールの一つとして最適なのが、
“ビジネスの潤滑油”としても賞される「ワイン」である。

 ワインは原料となるブドウの種類も豊富で、たとえ同じ品種であっても国や生産者、
また生産された年によっても全く別物に変わる、話題に事欠かない奥深いお酒だ。

 ワインがあるだけでその場は華やかになり、ビジネスの話もより一層盛り上がる、
こうしたワインの効用について強調するビジネスマンは、経営者をはじめとして枚挙に暇がない。

このように世界中のビジネスマン同士の交流の場には欠かせないお酒となったワインであるが、
筆者の専門である歯科の領域において、う蝕(虫歯)、
歯周病に次ぐ第三の歯科疾患と言われているTooth wear (トゥース・ウェアー)と深い関係がある。

 Tooth wearとは、咬耗、摩耗あるいは酸蝕によって歯の表面の正常な構造、歯質が失われた状態のことを言う。
その中でも、酸性の飲食物や胃液などの「酸」によって歯質が薄くなっている状態のことを、「酸蝕症」と呼ぶ。

 以前は酸蝕症というと、
塩酸や硫酸、硝酸などを扱う工場において酸のガスやミストが直接歯に触れて表面が溶ける職業病と捉えられていた。

 しかし、最近では一般の人の口の中にも高い頻度で見られるようになってきている。
酸蝕症はゆっくり進行し、また溶ける範囲が広く浅いために、
重症化するまでは気がつかない場合も多いのだが、驚くべきことに近年の疫学的調査から、
成人の4人に1人もの人が酸蝕症であることが分かってきたのだ。
そして何より、その酸蝕症のリスク因子として、数ある飲料の中でも上位に挙がってくるのが、「ワイン」なのである。

■酸蝕症が起こるメカニズムワインがリスク因子として高い理由

 そこで、まず酸蝕症が起こるメカニズムについて、
そしてワインがどうして酸蝕症における高いリスク因子となりうるのかについて説明しよう。

コーラやサイダーなど炭酸飲料を飲むと“歯が溶ける”ということは感覚的に理解されているように思うが、
事実、歯を酸性の飲料水に長く浸しておくと、歯は溶けてしまう。
同様のことが日常、我々の口の中でも起こっている。 

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ダイヤモンド・オンライン
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