何億年も前に生きた古代の爬虫類も、敵から逃げ切るための素晴らしい特技をもっていた。
現代の多くのトカゲがもつ「尻尾切り」の技だ。最新の研究成果が学術誌「Scientific Reports」に発表された。

 カナダ、トロント大学の研究者らがこの爬虫類の尾骨70個を調査したところ、
トイレットペーパーがミシン目で切れるように、捕食者がこの爬虫類の尾をつかんだ際に、
尾骨にある特定の亀裂で尻尾が切れるようになっていたという。

 カプトリヌスと呼ばれるこの爬虫類は重さ2キロほどで、今から2億8900万年前に生息していた。
尻尾を切り離すための亀裂は若い個体に多く見られ、おとなの骨ではしっかり結合しているように見える。

 若い個体ほど敵に襲われる危険性が高いことから、成長するにしたがってこの機能が失われていったと考えられる。


 カプトリヌスは、その後約3000万年にわたって当時のパンゲア大陸全域に広がり、繁栄した。
こうした機能が生き残るのに優位に働いたのかもしれない。

 尻尾切り機能はその後いったん化石記録から途絶え、再び現れるのは今から7000万年前のことだ。
現代のトカゲにも同じ機能があるが、カプトリヌスは尻尾切りができた最も古い爬虫類といえる。

画像:太古の爬虫類カプトリヌスは敵につかまれたときに尻尾を切り離すことができた。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/030800106/ph_thumb.jpg

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