米メリーランド大学の研究チームは、木材の強度と硬度を10倍以上高め、
スチールやチタン合金にも匹敵する強靱な天然素材を作り出す方法を開発した。
カーボンファイバーに比べても遜色なく、極めて安価だという。

メリーランド大学の開発した方法は、まず木材の主成分のひとつであるリグニンを除去し、
次に華氏150度(摂氏約66度)の温度下で圧縮するというもの。これによりセルロース繊維が凝縮し、強固な水素結合を形成する。
研究チームを率いるLiangbing Hu准教授によれば、この方法で処理された木材は、
天然のものに比べ12倍の強度と10倍の硬度があるという。

この方法で木材を処理すれば、成長が早いが柔らかいパイン材やバルサ材などの木材を使って、
成長が遅くて密度が高いチークなどの木材を置き換え、家具や建物を作ることができる。

また、研究チームが弾丸のような飛翔体を新素材に打ち込む試験をしたところ、
飛翔体は天然の木材は貫通したが、処理された木材では途中で止まり、貫通できなかったという。
Hu准教授は、「この素材は、車両、航空機、建築物などスチールが使われているあらゆる分野に応用できる。」と述べている。

メリーランド大学の研究成果は、『Nature』誌2018年2月7日発行のオンライン版に掲載されている。

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