頭を使って連続的に木の幹をつつくキツツキについて
、この「つつき行動」が脳に損傷を与えている可能性があるとの研究結果が初めて発表された。
論文誌「PLOS ONE」に2日に掲載された。

研究では、キツツキの一種であるセジロコゲラと、キツツキでなく、
木をつつかないムクドリモドキ科のハゴロモガラスの脳繊維を調査。
その結果、人間では神経変性疾患や頭部外傷による脳損傷と関連のあるタウ・タンパク質の蓄積がセジロコゲラに見られたのに対し、
ハゴロモガラスでは見られなかった。

この研究に携わったボストン大学医学部の大学院生は「キツツキは脳損傷を受けていないと考えられてきたが、
この研究により逆の結果が示唆されたようだ」と述べた。

科学者らは、このタウ・タンパク質がキツツキの脳損傷を示すものなのか、
ある種の保護作用を持つものなのかを特定中という。

キツツキは、昆虫や樹液の餌を得たり、つがい相手を呼び寄せたりするためにつつき行動をしており、
その際、最大1400Gという大きな重力加速度を受けている。
人間は、60─100Gで脳震盪を起こす可能性があるが、
キツツキには、くちばしや頭蓋骨、舌、脳と頭蓋骨の間にある隙間など、
つつき行動による影響を緩和する機能が備わっている。

関連ソース画像
https://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&;d=20180206&t=2&i=1228639906&r=LYNXMPEE150D7&w=1280

ロイター
https://jp.reuters.com/article/woodpecker-idJPKBN1FQ0MG