ヤムイモのゲノム配列の解読に世界で初めて成功 ―国際的な研究連携で西アフリカの農業問題に取り組む―

ポイント
・世界に先駆けて、西アフリカの重要な主食作物で、ヤムイモの一種であるギニアヤムの全ゲノム配列を解読
・ギニアヤムの性別を決定するゲノム領域を同定し、品種改良を加速できる性別判定マーカーを開発
・日本の研究機関が中心となった国内外の研究機関の連携協力により、西アフリカを中心とする世界の食料生産、栄養改善への貢献が期待できる

概要
公益財団法人 岩手生物工学研究センター(IBRC)、国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)は、ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)との国際共同研究を通じて、アフリカにおける重要な作物、日本で栽培されているナガイモ、ジネンジョ等の仲間のひとつであるヤマノイモ属作物(ヤムイモ)「ギニアヤム」の全ゲノム配列の解読に、世界に先駆けて成功しました。
さらに解読した情報を基に、性別を決定する遺伝子の座乗するゲノム領域を同定し、幼植物期に性別を推定することができるDNAマーカーを開発しました。
このマーカーは、品種・系統によって雄、雌の性別が異なり開花するまでその性別が判断できないというヤムイモの品種改良の障壁を乗り越え、品種改良を加速化・効率化することに大きく貢献すると期待されます。
これらの成果は、ギニアヤムをはじめとするヤムイモの生産性や栄養価の改良を飛躍的に加速し、特に西アフリカにおける食料生産、栄養改善に貢献することが期待されます。
--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---

▽引用元:国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS  平成29年9月19日
https://www.jircas.go.jp/ja/release/2017/press09

図1.西アフリカにおけるヤムイモの栽培(左)とヤムイモ市場(右)
https://www.jircas.go.jp/sites/default/files/201708/press2017_09_fig01.jpg
図2.ギニアヤムと主なモデル植物の遺伝子の比較
(a)ギニアヤムの植物体。(b)ギニアヤムのイモ。(c)ギニアヤムのゲノム解析による遺伝子と、ゲノム配列がわかっている主なモデル植物における遺伝子との比較。数字は遺伝子数。各区分で重複する部分には相同する遺伝子数を記載。
https://www.jircas.go.jp/sites/default/files/201708/press2017_09_fig02.jpg