琵琶湖で外来プランクトン急増 生態系に悪影響懸念

京都新聞 4/20(木) 9:28配信

琵琶湖で外来種の植物プランクトンが昨年11月から今年2月にかけて急増していたことが、
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの調査で分かった。
急増の理由は不明だが、食物連鎖の最底辺を支える植物プランクトンのバランスが乱れることで、
琵琶湖の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるという。
現在は沈静化しているものの、今後も再び増える懸念があり、センターが警戒を強めている。

緑藻綱の「ミクラステリアス・ハーディ」で、オーストラリアやニュージーランドなどで見られる。
6本の突起を持つ二つの半細胞が合わさった星形が特徴で、半分に分かれて増える。
琵琶湖では2011年11月に初めて確認された。
渡り鳥や観賞魚などに付着して侵入したとみられるという。

例年、琵琶湖では夏(6〜8月ごろ)と秋(9〜10月)の2回、植物プランクトンが増えることが知られている。
だが、昨年11月はミクラステリアスが急増し、前年同期と比べ、緑藻綱は約100倍、植物プランクトン全体では約10倍となったことが確認された。

一般的に、植物プランクトンが増えると、アユなどの餌になる動物プランクトンも増える。
だがミクラステリアスは体長が170ミクロン程度と比較的大きく、ミジンコなど動物プランクトンの餌になりにくいという。

平らな形状のため水の抵抗を受け、湖底に沈みにくい。昨年10月から今年1月まで、過去10年で透明度が最低の6メートル前後となったことや、
同じく浮遊物質量が最大となったことにも影響したとみられる。

調査した一瀬諭専門員は「1種類が急増することで、他の植物プランクトンが減り、
それを食べる動物プランクトンや魚など琵琶湖の生態系全体に影響を与える恐れもある」と指摘。
今季のアユ稚魚(ヒウオ)の不漁に関係している可能性も否定できないという。

3月初旬以降、ピーク時の5分の1程度に沈静化しているが、今後も急増する恐れがあるとし、増減を注視していくという。
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