<放射光施設>東北大に建設 諮問委が答申

河北新報 4/12(水) 11:41配信

 東北に次世代型放射光施設の実現を目指す産学連携組織「光科学イノベーションセンター」の建設地選定諮問委員会は11日、
建設地を東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)とする審査結果を答申した。センターは13日の臨時理事会で正式決定する見通し。

 建設地は青葉山キャンパス南隣にあるゴルフ場跡地の新キャンパスの一部約6万6000平方メートル。
地盤の安定性に加え、東京から2時間未満という交通アクセス、理・工・農・医分野にまたがる東北大研究機関との連携、
産業集積の可能性など全7項目で高評価を得て、「最適地」と判断された。土地は正式決定後、東北大から借り受ける方針。
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 諮問委は2月から検討を進めてきた。委員長の福山秀敏東京理科大教授(元東大物性研究所長)は
「東北大には世界的な研究の蓄積があり、施設の目的となる産学連携が迅速に展開できる。アクセスも重要な要素だった」と説明した。
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 答申は、他候補地の宮城県丸森、松島、大郷3町について「産業集積の具体的ビジョンが課題」などと指摘。
青森県むつ小川原開発地区(六ケ所村、三沢市)はアクセスが難点とした。
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 建設地を巡っては2015年6月、東北7国立大による推進会議の第三者委員会が3町に絞った経緯がある。
東北大は今回選ばれた土地の約100メートル西の敷地約5万平方メートルを提示し、狭さや地形的な課題を指摘されて落選。
その後諮問委の要請を受けて再検討し、より広い土地を提示した。
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 今後、センターは放射光施設計画を進める国に働き掛け18年度着工、20年完成を目指す。
建設費約300億円は全額を国の復興予算に頼る方針から民間資金の調達に転換。1口5000万円の出資要請に内諾を含め四十数社が応じる意向だという。
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 センターの高田昌樹理事長(東北大総長特別補佐)は「答申を重く受け止める。建設地が明確になれば企業参画の加速が期待できる。
他の候補地とも協力し実現を目指す」と話した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170412-00000005-khks-soci