プールや浴場で利用者がひそかに排尿した量を簡単に推定する方法をカナダ・アルバータ大の研究チームが開発し、2日までに米化学会の専門誌に発表した。飲食物に広く使われる人工甘味料の一種が摂取後、尿から排出されることに注目。昨年8月にカナダで調査した水量約41万6400リットルのプールには尿が30リットル含まれ、水量が2倍の別のプールでは75リットル含まれていると推定した。

この人工甘味料は、砂糖の主成分であるショ糖の約200倍甘く、分解されにくい「アセスルファムK(カリウム)」。プール水の成分を標準的な装置で分析し、アセスルファムKの量を測定。20人の尿サンプルに含まれるアセスルファムKの平均量を基準として、尿量を推定した。

人の尿や汗に含まれるアンモニアや尿素などが消毒剤の塩素と反応すると「クロラミン」と呼ばれる物質が生じ、目や喉、鼻が痛くなる。プール管理関係者にはよく知られており、混雑した際には水の交換やろ過に加え、一時的に塩素消毒剤の濃度を高くしてアンモニアなどを分解する措置が取られている。

研究チームはカナダの2都市にあるプールやホットタブ(温水浴施設)の計31カ所で、アセスルファムKの量を調査。プールに比べ、ホットタブでは突出して量が多い所があり、利用者のマナーの悪さが示された。

(2017/03/02-04:59)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030200223&;g=soc