ことさら言うまでもないが、秩序とか安定をうたう政党と、進歩とか革新をうたう政党は、
どちらも健全な政治のために必要な要素である。


功利性の理論が無神論として激しく非難されることを聞くのは珍しいことではない。


スウェーデンの有名な化学者ベリマンについて、
彼は多くの発見をしたが、彼の最大の発見はシェーレを発見したことであった。
同様にジェイムズ・ミルについても、人間の進歩についての彼の最大の貢献は、
彼が研究仲間と後継者として教育した彼の息子であったと言うことができるであろう。


こんなやり方は行きすぎだと思われるかも知れない。
そう言えなくもないが、それは、子供の間違いに腹を立てたことだけだと思う。
生徒というものは、できないことを要求されて初めて力の限りを尽くすのだから。


「理論」の正しい意味も知らず、しかもそれを現実と対立するもののように扱うとは、
おそるべき無知をさらけ出したのだと私は思い知らされたのである。

ジョン・スチュアート・ミル