あなたがたは、わたしから見れば、まだ悩み足りない。
それはあなたがたが、あなたがた自身を悩んではいるが、
人間を悩んだことはないからだ。


おまえたちは、かつて、快楽にたいして然り!と言ったことがあるか。
そう言ったことがあるなら、おまえはいっさいの
苦痛にたいしても然り!を言ったことになる。
すべてのことは、鎖によって、糸によって、愛によって繋ぎあわされているのだ。


きみが高みに登れば登るほど、妬みの目は、遠ざかる君を小さく見る。
飛び抜けて高く駆け上がる者は、もっとも憎まれる者なのだ。


なにからの自由なのかは些細なことだ。
重要なのは、なにを目指すための自由なのかということだ。


君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても、やり過ぎということはない。
なぜなら、君は友にとって、高すぎる目標を目指すための
憧れの熱意であるべきだからだ。


君たちが私の死に接して、そのために大地への愛をいよいよ深めていくように、
そういうふうにわたし自身は死にたいと思う。
そしてわたしは再び大地の一部となって、
わたしを生んだこの母の中で安静を得たいと思う。


死ぬときにも、そこにはなお君たちの精神と君たちの徳とが
燃え輝いていなければならぬ。大地を包む夕映えのように。
そうでなければ君たちの死は失敗ということになる。


女にとっては男はひとつの手段であり、目的はつねに子供である。
男にとって女はなんであろう?真の男は二つのことを欲する。
危険と遊戯を。それゆえ男は女を欲するのだ。


わたしの真なる友よ。
きみはきみのくだらない隣人にとって、良心の呵責なのだ。
かれらはきみの隣人としての値打ちがないと自覚しているから、
きみを憎み、血を吸いたがるのだ。


眠りに敬意と羞恥心を持て。
(中略)よく眠るためには、あらゆる徳を持たねばならぬ。

ニーチェ