よもや他人の迷惑にはなるまいと思っているときに、
他人の迷惑になっていることがよくあるものである。


人間には、裏切ってやろうとたくらんだ裏切りより、
心弱きがゆえの裏切りのほうが多いのだ。


知はいつも情に一杯食わされる。


他人に欺かれるもっとも確実な手段は、他人よりも自分のほうが狡猾だと思うことである。


運も健康と同じように管理する必要がある。
好調な時は充分に楽しみ、不調な時は気長にかまえ、
そしてよくよくの場合でない限り、決して荒治療はしないことである。


情熱は、つねに人を説き伏せる無類の弁舌家である。


不可能なことはない。すべてに至る道がある。


われわれは生涯の様々な年齢にまったくの新参者としてたどりつく。
だから、多くの場合、いくら年をとっても、その経験においては経験不足なのである。


人は好んで他人の心を推察するが、他人にこちらの心を推察されるのを好まない。


運命は理性の力では直せない数々の欠点を改めさせる。


洞察力の最大の欠点は、的(まと)に達しないことではなく、
その先まで行ってしまうことである。


ありのままの自分を出すほうが自分を偽って見せるより得るものは大きいはず。


社交においては、われわれの優れた特性によってよりも、
欠点によって気に入られることのほうが、かえって多い。

ラ・ロシュフコー